防災備蓄の管理、できていますか?
企業が見直すべき5つのポイント

防災備蓄の管理、できていますか?企業が見直すべき5つのポイント

「防災備蓄は準備しているから大丈夫」と考えている企業は少なくありません。しかし、いざ災害が発生したときに以下のような状態では、せっかく準備した防災備蓄を十分に活用できません。

  • 備蓄品の賞味期限が切れていた
  • 社員数に対して数量が足りない
  • どこに何が保管されているのかわからない
  • 担当者が変わって管理方法がわからなくなった
  • 災害時に誰が、どのように配布するのか決まっていない

防災備蓄は「購入して終わり」ではなく、必要なときに確実に使える状態を維持することが重要です。
内閣府も、企業等における施設内待機のための備蓄について、備蓄量の目安を3日分とし、3日分以上の備蓄も検討することや、来客者などのために余分な備蓄を検討することを示しています。

今回は、企業が防災備蓄を見直す際に確認したい5つのポイントを解説します。

目次

1 企業の防災備蓄は「管理」が重要

防災備蓄では、何を購入するかだけでなく「誰が・どこで・どのように管理するのか」まで決めておく必要があります。

政府広報でも、企業備蓄について「選ぶ基準」「配置場所」「配布・使用方法」「期限切れの処理」など、管理と更新の仕組みを継続的に機能させることが重要とされています。
つまり、防災備蓄は一度整備したら完了するものではありません。

社員数や事業所の状況、保管場所、備蓄品の状態などを定期的に確認し、必要に応じて更新することが大切です。

2 ポイント1
備蓄品の「数量」は足りていますか?

まず確認したいのが、現在の従業員数に対して備蓄量が十分かどうかです。企業が災害時に従業員を施設内に待機させる場合、人数に応じた水・食料・トイレなどを準備しておく必要があります。

例えば、東京都中央区では3日間の保護を想定した場合の目安として、以下を推奨しています。

  • 飲料水:1人あたり1日3L
  • 食料:1人あたり1日3食
  • 携帯トイレ:1人あたり1日8回

仮に社員50人分を3日間備蓄する場合、水だけでも、
 50人 × 3L × 3日=450L
が一つの目安になります。

ただし、必要量は企業の所在地や災害リスク、勤務形態、帰宅困難者対策、来客者への対応などによって変わります。
「社員数=備蓄人数」になっていないか
備蓄量を計算するときに注意したいのが、社員数だけを基準にしてしまうことです。

災害発生時には、以下の対応も考える必要があります。

  • 来客
  • 取引先
  • 派遣社員
  • パート・アルバイト
  • 一時的に社内に滞在している人
  • 日頃お世話になっている地域の皆様

内閣府のガイドラインでも、外部の帰宅困難者への対応として、例えば10%程度の余分な備蓄を検討することが示されています。
現在の従業員数+来客者などを考慮した人数で、備蓄量を一度見直してみましょう。

3 ポイント2
賞味期限・使用期限を管理できていますか?

防災備蓄で起こりやすい問題の一つが「期限切れ」です。
購入したときには問題なくても、数年経過すると食品の賞味期限や電池などの使用期限が近づいてきます。

特に、長期保存を前提とした防災用品は、

 「普段ほとんど使わない」
     
 「確認する機会がない」
     
 「気づいたら期限が迫っている」

という状態になりがちです。

上記のようにならないように最低限、以下の備蓄品の項目を管理しておくとよいでしょう。

備蓄品の一覧表

管理項目 確認内容
品名 水・非常食・簡易トイレなど
数量 現在の在庫数
保管場所 倉庫・キャビネットなど
賞味期限 食品・飲料水
使用期限 電池や簡易トイレなど
購入日 いつ購入したか
更新予定日 いつ入れ替えるか
担当者 誰が管理するか

賞味期限が近づいた備蓄食品については、廃棄するだけでなく、通常の食事や社内訓練などで消費し、新しいものを補充する方法(ローリングストック)もあります。
農林水産省も、災害用備蓄食品の入れ替えに伴う有効活用について情報提供しています。

【参考】農林水産省の災害用備蓄食品の有効活用について
https://www.maff.go.jp/j/syouan/access/bitiku.html

4 ポイント3
「どこにあるか」を社員が知っていますか?

防災備蓄は、保管しているだけでは十分ではありません。
災害時に「防災用品はどこですか?」となってしまえば、必要なときに使うことができません。

特に、以下のように、普段社員が出入りしない場所に備蓄品を分散している場合は注意が必要です。

  • 防災倉庫
  • 地下倉庫
  • キャビネット
  • 複数フロア
  • 複数拠点

保管場所を「見える化」する

例えば、以下のような保管場所を管理する一覧を用意します。

防災備蓄品 保管場所一覧
  • 1階倉庫:飲料水・非常食
  • 2階キャビネット:簡易トイレ
  • 3階防災倉庫:毛布・照明器具
  • 総務部:救急用品
  • 非常用電源:○○倉庫

さらに、保管場所には「防災備蓄品」などの表示を付けておくと、災害時にも見つけやすくなります。

大規模災害では建物の一部が使えなくなる可能性もあるため、備蓄品の保管場所を分散することは非常に重要となります。

内閣府のガイドラインでも、備蓄品の保管場所の分散について検討することが示されています。

【参考】〜内閣府〜特集 災害の備え、何をしていますか
https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h22/09/special_01.html

5 ポイント4
「誰が・どう使うか」まで決まっていますか?

防災用品を準備していても、災害発生時の運用方法が決まっていなければ、混乱する可能性があります。

  • 誰が備蓄品を取り出すのか
  • 誰が社員に配布するのか
  • 飲料水はどのように配るのか
  • 簡易トイレはどこに設置するのか
  • 非常用電源は誰が操作するのか
  • 来客者にはどう対応するのか
  • 近隣住民にどの程度、配布するかの

特に非常用電源や蓄電池、UPSなどは、単に保管しているだけではなく、実際に操作できる人を決めておくことが重要です。

防災訓練で「実際に使ってみる」

防災備蓄の管理では、定期的な訓練も有効です。
例えば、以下のように一連の流れを確認します。

 停電が発生
   
 非常用電源を取り出す
   
 電源を接続する
   
 必要な機器を稼働させる
   
 防災用品を取り出す
   
 社員へ配布する

実際に使ってみることで「保管場所がわからない」「電源の使い方がわからない」といった問題を発見できます。更に非常時に慌てずに利用できれば突発的な問題が発生しても、冷静に対処することが可能となります。

内閣府も、事業継続の取組では、計画・実施・教育訓練・点検・是正・見直しを繰り返す継続的な改善が重要としています。

【参考】〜内閣府〜事業継続 初めての方へ
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/keizoku/hajimete.html

6 ポイント5
担当者だけに管理を任せていませんか?

防災備蓄で見落とされやすいのが、管理の属人化です。
例えば、
「防災用品のことは総務の○○さんしかわからない」
という状態です。

担当者が異動・退職した場合、以下の問題につながります。

  • 備蓄品の場所がわからない
  • 賞味期限がわからない
  • 更新時期がわからない
  • 業者がわからない
  • 災害時の対応方法がわからない

防災備蓄を「仕組み」で管理する

担当者の経験や記憶に頼るのではなく、誰が担当しても管理できる仕組みを作ることが重要です。

  • 備蓄品リストを共有する
  • 更新時期をカレンダーに登録する
  • 保管場所を一覧化する
  • 災害時の配布手順をマニュアル化する
  • 定期的に棚卸しする
  • 防災訓練で運用を確認する

防災対策は、一度完成させて終わりではありません。企業を取り巻く環境や従業員数、事業内容が変われば、防災対策も見直す必要があります。

7 防災備蓄の管理チェックリスト

最後に、自社の防災備蓄について確認してみましょう。

Check 現在の従業員数に対して備蓄量が足りている
来客者などの分も考慮している
飲料水・食料を必要量確保している
簡易トイレを十分に備えている
備蓄品の賞味期限・使用期限を管理している
備蓄品の保管場所を把握している
社員が備蓄品の場所を知っている
災害時の配布方法を決めている
非常用電源などの使用方法を確認している
防災備蓄の担当者を明確にしている
担当者が変わっても管理できる仕組みがある
定期的に棚卸しを行っている
防災訓練で実際に備蓄品を使用している

もし、チェックが少なかった場合は、今が防災備蓄を見直すタイミングです。

8 防災備蓄は「備える」から「管理する」へ

企業の防災備蓄は、購入することがゴールではありません。
重要なのは「災害が起きたとき、本当に使える状態になっているか」です。

そのためには、
 数量 期限 保管場所 使用方法 管理体制
の5つを定期的に確認することが重要です。

他にも企業が取り組むべき防災は、備蓄だけではありません。
大規模災害では、停電・通信障害・交通機関の停止などが同時に発生する可能性があります。企業のBCPでは、重要業務を継続・早期復旧するために、自社のリスクを想定した事前対策を進めることが重要です。

特に、従業員をオフィス内に待機させる場合には、食料や飲料水だけでなく、簡易トイレ、照明、情報収集手段、非常用電源などを含めた総合的な備えが必要になります。

関連リンク
企業防災備蓄リスト完全ガイド、オフィスが備えるべき防災用品と必要数量
災害時に事業を継続するために必要な防災備蓄とは

9 まとめ|防災備蓄の管理をもっと効率的に

防災備蓄は、購入・保管・期限管理・入れ替えなど、継続的な管理が必要です。しかし、総務・防災担当者が本来の業務と並行して、すべての防災用品を管理するのは大きな負担になることがあります。

そこで選択肢の一つになるのが、防災用品のサブスク・レンタルです。

必要な防災用品をまとめて準備するだけでなく、定期的な入れ替えや管理まで含めて考えることで、担当者の負担を抑えながら、継続的に「使える防災備蓄」を維持しやすくなります。

エコサブスクでは、企業の防災・BCP対策に必要な防災用品や非常用電源などを、サブスク型で導入できるサービスを提供しています。
「防災用品を準備したものの、その後の管理まで手が回らない」
「担当者の負担を減らしながら、防災備蓄を継続したい」
という企業は、防災備蓄の管理方法そのものを見直してみてはいかがでしょうか。

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