東京都帰宅困難者対策条例とは?
企業が備えるべき
防災備蓄と実務対応を解説
大規模地震が発生した際、多くの人が一斉に帰宅を始めると、駅周辺や道路が混乱し、救助活動や緊急輸送の妨げになる可能性があります。そのため東京都では「むやみに移動を開始しない」という考え方のもと、企業に対して従業員の一時滞在対策を求めています。
しかし実際には、
- 何日分の備蓄が必要なのか
- どこまで準備すればよいのか
- 管理方法が分からない
- 更新期限の管理ができていない
といった課題を抱える企業も少なくありません。
そこで今回は、東京都帰宅困難者対策条例の概要と、企業が実際に行うべき備蓄・運用ポイントについて分かりやすく解説します。
目次
1 東京都帰宅困難者対策条例とは?
東京都帰宅困難者対策条例とは、災害発生時に従業員や来訪者が安全に待機できるよう、事業者に対して一定の備えを求める条例です。
特に首都直下地震では、公共交通機関の停止によって大量の帰宅困難者が発生すると想定されています。
そのため東京都では、「従業員等を一定期間事業所内に留まらせるための備蓄」を企業に推奨しています。
【参考】東京都防災ホームページ
東京都帰宅困難者対策条例
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kitaku_portal/1000050/1000536.html
2 企業に求められる主な対策
むやみな帰宅を抑制する
災害直後は、徒歩帰宅による二次災害リスクがあります。
企業は従業員に対して、
- すぐ帰宅しない
- 安全確認後に行動する
- 会社で待機する
というルール整備が必要です。
3日分程度の備蓄を行う
東京都では、従業員向けに3日分程度の備蓄を推奨しています。
主な備蓄例:
- 飲料水
- 非常食
- 簡易トイレ
- 毛布
- 衛生用品
- モバイル電源
- 照明
特に近年は、停電対策としてポータブル電源や蓄電池の導入も増えています。
3 企業防災で不足しやすい備蓄とは?
飲料水
最も不足しやすいのが水です。
一般的には「1人1日3L × 3日分」が目安とされています。
従業員50名の場合:3L × 3日 × 50名 = 450L
想像以上の量になります。
簡易トイレ
実際の災害時に最も問題になりやすいのがトイレです。
断水時はオフィストイレが使用できなくなる可能性があります。
しかし多くの企業では、水や食料は備蓄していてもトイレ対策が不足しています。
電源・通信対策
停電が発生すると、
- Wi-Fi停止
- PC充電切れ
- スマートフォン通信不能
- NAS・サーバー停止
など、業務継続に大きな影響が出ます。
そのため最近では、
- UPS
- ポータブル電源
- 蓄電池
などを導入する企業も増えています。
4 防災備蓄でよくある課題
更新期限切れ
非常食や保存水は期限管理が必要です。
しかし実際には、
- 倉庫に置きっぱなし
- 期限切れに気づかない
- 担当者変更で管理漏れ
というケースが多く見られます。
棚卸しの負担
防災備蓄は通常業務ではないため、総務担当者の負担になりやすい領域です。
特に中小企業では、
- 総務兼任
- 情シス兼任
- 少人数運営
が多く、管理が属人化しやすい傾向があります。
5 防災備蓄を「運用」で考える時代へ
以前は「とりあえず備える」が中心でした。
しかし現在は、
- 更新管理
- 廃棄対応
- 人数変更対応
- 定期見直し
まで含めた“運用”が重要視されています。
そのため最近では、防災備蓄をサブスクリプション型で管理する企業も増えています。
6 サブスク型防災備蓄のメリット
- 更新漏れを防げる
定期入れ替えにより、期限管理の負担を削減できます。 - 廃棄コストを減らせる
期限切れ備蓄の大量廃棄を防ぎやすくなります。 - 担当者変更でも運用しやすい
属人的なExcel管理から脱却しやすくなります。
7 まとめ|運用負担を減らした対策がポイント!
東京都帰宅困難者対策条例への対応では、単に備蓄を購入するだけでは不十分です。
重要なのは、
- 必要量を確保する
- 継続管理する
- 停電・断水まで想定する
- 担当者負担を減らす
という運用視点です。
特に都市部では、交通停止による長時間待機の可能性も高く、企業防災の重要性は年々高まっています。
この機会に、自社の備蓄状況や運用体制を見直してみてはいかがでしょうか。



